歯の移植・再植術 - 院長ブログ

院長ブログ

2018年11月28日 歯の移植・再植術

歯のレントゲン写真
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまったとき、通常は入れ歯やブリッジなどで元の状態に近い形に戻します。この場合の歯としてはインプラントや義歯など人工的な歯を使用することになりますが、体に馴染むまで違和感が長く続くことや定期的なメンテナンスなどの負担が生じます。

歯の移植とは使われていない自分の歯をドナーとして失われた部分に移植する治療法で、歯の根が付きさえすれば周囲の歯と同様に自然な歯の機能を生かせるというメリットがあります。

ドナーに使用する歯は、親知らずや表面に出てきていない埋伏歯、過剰と診断された中間の小臼歯を使用しますが、義歯とは異なり歯の防御機能を働かせることができること、口内の環境によって柔軟に形や位置を変えて歯並びなどの変化に対応できることが特徴です。


ただし、ドナー歯の条件として、ドナー歯と移植先の大きさが合っているいること、ドナー歯が重度の虫歯や歯周病に侵されていないこと、患者の年齢が若いことなどがあります。なお、移植した歯を生着させるためには、歯ぐきを糸で固定したり隣の歯と接着剤でくっつける必要があるため、固定期間として2ヶ月前後の期間を要します。


歯の再植術は、転倒事故やケガなどによる歯の脱臼状態で、抜けかかっていたりグラグラしている場合や、通常の治療では治らないような場合に有効で、一度抜歯した歯を洗浄して再び同じ場所に戻すという施術方法です。


また、虫歯が歯肉の奥深くまで達しているときに、一度抜いてから歯の向きを変えて虫歯によって感染してしまった歯質を歯肉よりも上部に持ってくるようにすることもあります。再植の対象となる部分は臼歯部となっており、前歯は歯ぐきやあごの骨が後退してしまうことがあるので治療には不向きです。


抜歯によるリスクはあるものの、条件が良ければ劇的な改善が見込まれるため、高額な治療費が必要なインプラントにしない選択肢のひとつとして有効ですが、再植には歯の根の部分にある歯根膜という組織が残っていることと損傷していないこと、汚染されていないことが必須条件となります。移植や再植は必ずしも成功するという訳ではなく、術後にトラブルを起こすこともあります。


歯根膜がきちんと付着せずに抜け落ちてしまうことや、歯根膜の損傷した部分から歯が溶けて虫歯になったり、あごの骨と癒着してしまうことがあるので、事前に歯科医師による十分なカウンセリングを受けておくことが必要です。

月別アーカイブ