院長ブログ

2018年8月16日 味覚障害と唾液

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味覚障害とは普段の食事における感度の低下や、味の消失などを引き起こしている状態です。いつもと変わらない味付けに違和感を感じたり、何を食べても美味しく感じなかったりします。口の中には何もない状態で苦みを感じると言った場合もあり、味覚の感度、感じ方の障害です。


実は味覚障害は唾液との関係も深くなっています。唾液はただの水ではなく、口内の粘膜を乾燥から守る役割があります。また、様々な味覚はこの唾液の中に溶け込んで、舌にある味覚受容器に届けられることで味を感じることができるのです。さらに乾燥した状態は味覚受容器へのダメージを受けやすくなります。唾液が全くなければ本来の味が分からない状態、つまり味覚障害に陥ってしまうのです。


口内の乾燥が味覚障害の引き金となるとは言っても、緊張や興奮によって一時的に口の渇きを感じることは珍しくはありません。問題となるのは、水分補給などを行ったにも関わらず慢性的に口の渇きを感じる状態です。これは口腔乾燥症またはドライマウスと呼ばれる症状です。ドライマウスの原因は、生活習慣によって引き起こされることがあります。


例えば、やわらかい食品が多い食生活を続けると顎や舌の筋肉が衰えて、唾液の分泌量も少なくなってしまいます。同様に加齢によっても筋力の低下が起こりますので注意が必要です。特に加齢による筋力の低下は、口内だけでなく姿勢にもおよび、猫背で顎が前に出た状態は口呼吸をまねきます。口からの呼吸はドライマウスの原因にもなるのです。


また、一時的な緊張による口の渇きも、毎日のように繰り返されることで慢性化してしまうこともあります。唾液は水分量が少なければ分泌量も少なくなります。そのため、アルコールの飲み過ぎは利尿作用が働いて脱水状態を引き起こしやすく、原因となることもあるのです。服用している薬にも利尿作用が働くものがあれば、同様に副作用として口が渇くことがあります。


ドライマウスの予防を考えた時に鍵となるのは筋力と精神面、そして水分です。筋力を鍛えるには、ゆっくり噛む習慣を心がけることです。咀嚼回数の目安は30回程度と言われていますが、無理のない範囲で意識して続けましょう。ガムを食べて口の周りを鍛えることも、取り入れやすく効果的です。ストレスの多い生活をしている人は、可能であればアロマやハーブティーなどリラックスできる時間を作ることも大切です。部屋の湿度の調整や外出時には水を持ち歩くなど、水分量に気を配ることも予防に繋がります。また、口呼吸は口内の水分を維持しづらく、乾燥の原因となるため鼻呼吸を練習すると良いです。鼻づまりなどで難しい人は加湿マスクも有効です。

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