扁平苔癬と白板症 - 院長ブログ

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2019年10月30日 扁平苔癬と白板症

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扁平苔癬は肌や粘膜に角化異常(表面が硬くなる)が起きたり、炎症で赤くなる病気のことです。発症したら治すことが難しい難治性で、対症療法をしながら様子を見るのが一般的です。症状が出やすい部分としては、胴体や手首などがありますが、半数以上が口腔内です。


口腔内にできた扁平苔癬は、白いレース上の斑模様ができます。時間とともにこの斑模様は形状や色合いが変わっていくのですが、触ると痛みを感じたり出血したりします。


何が原因で発症するのかというと、未だに解明されていません。可能性としては金属に薬物や化学物質などが刺激となって反応が起きている、ウイルスや細菌に感染している、ストレスが蓄積したなどが考えられます。


白板症は、口腔内の粘膜にこすっても落ちない白い斑状の角化症ができる病気です。その白い斑模様は、特に下顎の歯茎に出来ることが多く、それに次いで舌、頬という順番です。触ったときの痛みはありません。


白板症もまた何が原因なのかは解明されていませんが、義歯や歯の詰め物の形が合わなくて頬などに与える慢性的な刺激、喫煙、飲酒などが関係していると思われます。また食生活でビタミンA及びビタミンBが欠乏しているときも白板症になりやすいです。


ですから、治療をするときにはまず義歯や歯の詰め物など刺激を与えているものを取り除きます。それから喫煙や飲酒などの生活習慣を改めることも必要です。ビタミンA及びビタミンBの欠乏に対しては、薬物療法で投与しながら経過を観察します。もし、それでも消えないようであれば、手術で切除をします。


扁平苔癬と白板症は、どちらも粘膜に白い斑模様ができる点では似ていますから、見た目で区別がしにくいです。そのため、鑑別診断では、組織を採取して調べます。また、口腔内の扁平苔癬では金属アレルギーかどうかを調べるためにパッチテストも行います。


見た目が似ているとは言え、この2つの病気では違いがあります。それは症状が進行した時に悪性化するかどうかです。扁平苔癬の場合には症状が進行して癌になることは非常に稀です。でも白板症のほうは、治療をせず放っておけば、8%の確率で癌になります。どちらの病気なのかを鑑別診断で調べることは、癌を未然に防ぐためにも重要です。


ただし、白板症でもすぐに癌になるというわけでもありません。早ければ半年程度で癌になることもありますし、20年以上経ってからということもあります。状況に応じて手術などを行います。


そういう適切な対応をするためにも、病院で医師に診てもらい経過観察をし続けることが必要です。そうすれば、変化が起きた時にすぐわかりますから、治せる可能性が高まります。もちろん、扁平苔癬も癌が発症する確率がわずかでもあるわけですから、放置しないほうがいいです。

鏡などで口腔内に白い斑模様を確認したならば、鑑別診断をして適切な治療を始めるためにも最寄りの歯科医院に足を運ぶべきです。

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