院長ブログ

2020年4月30日 義歯(入れ歯)と発音

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入れ歯は欠損した歯を補うためのポピュラーな治療法ですが、実は義歯にしてから発音をしにくくなった、というケースも珍しくないのです。上手く会話をすることができないために人と話すことが億劫になってしまうケースもあり、入れ歯のありがちな問題として知られています。

理由は2つに大別することができ、ひとつは単純に義歯に不慣れなことによる発音障害です。異物が入っていることで上手く口や舌を動かしにくくなり、一時的に上手く話せないことがあります。個人差はありますが、2~3ヶ月ほどで馴染んできて話しやすくなります。導入直後の喋りにくさは入れ歯の特性として理解し、次第に慣れていくことが大切です。

しかしながら、慣れだけでは解決ができないケースもあるのです。それが発音障害が起こり得るもうひとつの理由で、適切な対策が求められます。入れ歯自体の問題も考えられますので、治療先への相談をしてみることも必要です。

どのような問題かは義歯の形状によって違ってきますが、例えば総入れ歯の時に装着する、床と呼ばれる部分のプラスチックが原因の場合があります。床が上あごを全て覆う形になりますので、プラスチックに厚みがあり過ぎたり長過ぎたりの場合は、発音がしにくくなるケースがあるのです。

その場合の対処法としては、舌が当たる部分を削ることで改善がされることもありますが、どこを削る必要があるかは患者によって違います。言葉によって舌の当たる場所が異なりますので、発音をしにくい言葉を確認しながら丁寧に調整していくほかありません。どの音を出しづらいのかを予め自身で把握し、それを掛かりつけの歯科医に伝えるのが解決への近道と言えます。

プラスチックから金属に交換をするのもひとつの対処法です。厚みが出やすいプラスチックは発音に影響を及ぼしがちですが、金属の場合は素材を薄くできますので舌の当たり具合に影響をきたしにくい傾向があります。素材を換えるだけで改善されたケースも多く、その上、丈夫で熱も感じやすいために食べ心地が良くなるといったメリットもあるのです。ただ、費用がプラスチックの物と比べて高くなりがちです。

痛みを感じるのも良くない義歯の特徴と言えます。最初の内は装置を付けることで痛みが出ることもあり、ほとんどの場合は時間と共に馴染んで痛みは消えていきます。ところが消えずに鈍い痛みが残り、それによって上手く発声ができないこともあるのです。フィットをしていない場合は会話に影響があるだけでなく、感染症のリスクを高める恐れもあります。しばらく使ってみて馴染めないようなら、早めに相談へ行くことが大切です。

喋りにくさが生じてしまう理由にはこういった要因が挙げられますが、適した義歯を作ることができれば後は慣れるだけです。声を出して本を読む、積極的に人と会話をするなど、口を使っていくことで馴染みが早まります。恥ずかしいからと話すことが億劫になってしまうと、馴染むまでに時間を要しますので注意しましょう。

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