秒単位にこだわる治療

歯の根の治療が終わったあと、かぶせ物をする場合、接着剤となるセメントを使ってかぶせ物と歯をつけます。当院ではこのかぶせ物と歯を接着させることにも気を配っています。

オールセラミックのかぶせ物の場合、歯とファイバーコア、そしてオールセラミックの3つのパーツを接着剤で一体化させる必要があります。歯の根の治療をしたあとでは、歯の中は空洞になってしまうので、歯の補強のためにコアが必要です。コアにはファイバーコアとメタルコアがあるのですが、当院では歯根破折の予防のためにファイバーコアもお選びいただけます(保険外診療・税込11000円)。

治療した歯とファイバーコアとオールセラミックの3つが接着することでより長持ちし再治療をできるだけ避けるようにします。


オールセラミック(左)とファイバーコア(右)

セメントには多くの種類があります。みやこ歯科では「接着性レジンセメント」というセメントを使用しています。歯とかぶせ物を接着させることはとても重要です。緩いとかぶせ物が取れてしまうからです。


接着性レジンセメント

実際の歯とファイバーコアの適合性もとても重要です。前述のように、これが緩いとせっかく接着性レジンセメントを使ってもその強度が十分に発揮されず、取れてしまいます。そのために当院では歯科技工士と連携して適合性がよい被せ物の製作を目指しています。より詳しくこのことについて知りたい方はこちらをご覧ください。

かぶせ物を歯に接着させるときは、まずかぶせ物に薬剤を塗ります。そして、ストップウオッチを用いて秒単位で操作していきます。夏場と冬では室温が違いますから、接着に必要な時間が異なるのです。そのため、接着させる時間について秒単位まで気を配るのです。

そこまでするのは、できるだけ良い効果(かぶせ物が取れにくく、長持ちしやすい。またセメントが溶けにくい)を出したいからです。セメントの練り具合、盛る量、操作時間、それらをすべて考慮して効果が発揮できるように意識しているのです。

治療中は真剣勝負ですから、オールセラミックの接着を行うときは、あうんの呼吸でピリピリした緊張感が漂います。

以前、模型実習でオールセラミックを削る体験をしたことがあります。刃先にダイヤモンドがついた歯科用の専用器具でセラミック本体とファイバーコアを分離しようと試みましたができませんでした。

接着を正しい手順で行えば、オールセラミックとファイバーコアが強力に接着して再治療や再製作のリスクを下げられます。

私はこの体験から接着性レジンセメントを使いファイバーコアとオールセラミックの組み合わせが現在の歯科医療ではよい治療だと考えています。

オールセラミックについて、より詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。