セラミックの被せ物ができるまで

このページでは、オールセラミックの被せ物(保険外診療)の製作過程をご紹介します。

1. 歯の型を採った後、そこへ石膏を流します

型取り 石膏が固まると、写真のような歯型が、石膏模型として、出来上がります。この石膏模型を使って、セラミッククラウン(被せ物)を製作していきます。


実体顕微鏡 まずは、石膏模型を細心の注意を払いながら、実体顕微鏡という拡大鏡を見ながら、歯と歯肉の境界線を削り出していきます。これも何ミクロンという細かな作業になります。とても集中力の必要な工程です。


次に、いま削り出した石膏模型にノコギリを入れて、歯を分割していきます。これも1回で決めなければなりません。もし失敗すると、もう一度患者さんに来院してもらい、歯の型取りから始めなければなりませんので、緊張感の中、進めていきます。


のこぎりで分割。


ワックスアップ 分割が終わったら 石膏模型にワックスアップという工程を行います。これは、セラミッククラウンの概形を柔らかいワックスで作ることです。歯はすべてが完璧なオーダーメイドです。歯の色や形、かみ合わせ等、すべてがフルオーダーなのです。


ワックスアップという歯の彫刻をしていくのです。
北海道の札幌雪祭りなどで、目を見張るような繊細な氷の彫刻をみることがあります。例えば、あのような彫刻を氷ではなく、ワックスで彫っていくのです。

私は、技術は歯科以外でもすべてが同じだと思っています。例えば、お寿司屋さんが握るシャリ、マグロに入れる包丁さばき一つとっても、短時間で鮮やかに見せてくれます。しかし、そこには十年、二十年という経験が入っているのです。数秒で包丁を使って、マグロを切りますが、その数秒には、実は数十年の経験プラス数秒と考えるのです。

オールセラミックポーセレン(e-maxポーセレン) 右はワックスアップの写真です。
なんとなく歯の形に見えますか?

このような工程を、ひとつひとつ積み重ねていきます。これは、形だけ合わせれば良いのではありません。適合性といって、実際に歯に入れたときに、ある程度の抵抗を伴って、入らなければいけないのです。

これも、総桐ダンスなどで引き出しを閉めると、密閉性が非常に優れているため、空気が押されて、他の引き出しが開いてしまうことをテレビなどで見たことがあると思います。歯もぴったりと入るけれど、逆さまにしてもスポンと落ちない抵抗感というか、摩擦力が要求されるのです。これは、やれと言われて出来るものではありません。

しかし、皆、それを目指しています。

オールセラミックポーセレン(e-maxポーセレン) もちろん、みやこ歯科の歯科技工士もがんばっています。

オールセラミックポーセレン(e-maxポーセレン) そんなワックスアップを終えると、次にあるのは、埋没(まいぼつ)という工程です。

これは、柔らかいワックスを硬いポーセレンに置き換えなければなりません。写真はワックスアップを終え、これから埋没材に入れる直前の写真です。白い色の液が埋没材です。この中に入れていくのです。

ところが ここでも技術的な落とし穴がたくさんあります。それをすべてクリアしないと、適合性の悪い歯になってしまいます。